オーダーを受けていた92本の縫製が終わり、無事に納品することができました。
今回のオーダーは、前回のオーダー(飾りカプセが付いたショルダーバッグ)と同じクライアントです。今回は、デニムやフェイクファーのパッチワークの前ポケットが付いた、少しモードな縦型ポストンバックです。 このバッグに使われる、パッチワークはクライアントさんが自社工房で縫製した支給品ですが、大きさが均一でない為に、1点1点サイズに合わせてマチを縫製しなくてはならず、こういうところが一般的なメーカーさんでは対応できないところです。逆に言えばとても手間がかかるところであります。 また、抜き型を作らない事が前提でもあり、生地、革の全てのパーツは手断ちで裁断しました。 今時分、国内メーカーさんであれば、革モノで92本であれば普通の量の仕事ですが、メーカーでもない弊社が92本ものオーダーをこなせるか、体力も含め、未知の世界への挑戦でもありました。 前回のショルダーバッグは型押しの革でしたので取り都合が良かったですが、今回の革はキップぐらいですが、半裁されていない1枚モノで170dsぐらい。半裁よりは取り都合は良いのですが、型押しではないナチュラルなシボの革なので、取り都合はあまり良くなく、裁断を終えるまで足りるか気が気でありませんでした。(結局は追加発注することになってしまいました) 裏地、革、ファスナーなどのパーツを含めると41のパーツになります。そこから少しずつ縫製、組み立てをすすめ、最終的に1つのバックに仕立てるまでには数々のな工夫や失敗がありました。 92本のバッグを作るので、1つの工程でも92回又は184回も同じ作業をします。型紙は最初に確認してあるものの、いざ組み立てる時にサイズが合わなかったら、などと考えると気が遠くなります。 毎日少しずつ、少しづつ作業をすすめ、前胴、背胴、マチの3ピースになれば、あとはまとめて1つのバッグにするだけとなります。 しかし、革のバッグを腕ミシンでまとめる作業はとても重労働なので、1日10本と決めて少しずつ完成させます。 90本もできたら置き場所が無いので、60本出来たところで分納させていただきました。 いざ最期の92本目をまとめ上げた後には感慨深いものを感じ、手の痛みを忘れるほどです。 今回も余裕のある納期を設定していただいたので、納期前に慌てる事なく余裕を持って作業を進めることができましたが、革の取り都合など勉強させていただいた点も数多くありました。 やってみなければわからない事は多いですが、やってみなくても、経験値から推測できることも多くあり、そういう点においてとても良い経験をさせていただきました。 クライアントさまには、とてもいいお仕事の機会をいただけた事にを感謝しています。
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