既製品のリュックの内側に、ノートパソコン専用のポケットをつけ、加水分解した部分を新しい生地で覆うというご依頼を受けましたので、直接ご本人とお会いし、実際に使われるノートパソコンのサイズとポケットの仕様等を打ち合わせしました。
ご依頼者は、このリュックにも相当な思い込みがあるようで、わざわざ海外のサイトで購入したそうです。 しかしながら、梱包を解いた時点で内装の一部分に加水分解の進行が見られ、ご自分で解決方法を探し、ある程度解決されていました。しかし、解決できていない部分もあり、その箇所に新しい生地で覆い隠すというご依頼をお受けしました。 また、もともと付いていたポケットは口開きの幅が狭く、高さが高すぎるので、サイズを調整し、用意していただいた緩衝材と生地で作り直しするご依頼も受けました。 バッグの構造や修理に対し十分に理解していただけるご依頼者だった事と、実際に使うパソコンやパソコンケースもお持ちいただいたので、打ち合わせはとてもスムーズに済みました。 作業は膨大な「ほどき」の作業から入ります。 実際の軍隊でも使われているミルスペックのリュックは、バインダー巻き部分や、ポケットを本体に縫い付ける箇所等、殆んどがダブルステッチでとても頑丈に縫われています。必然的に糸のほどきの作業が大変になります。バインダー巻きのテープは再利用するために、また、本体生地を傷めないよう慎重にほどきます。 加水分解の進んでいた部分は、背胴を全てほどいて分離させたことで縫いやすくなりました。元々付いていて不要になったサイズの合わないポケットを再利用したので、色や素材の違和感がありません。 取り出しやすい高さで、左右に動かないようポケットのサイズにも気を遣いました。 決して安い工賃ではありませんが、ご自分の使い易いようにお気に入りのリュックをリメイクでき、とても満足さたようです。 Sさま、ご依頼いただきありがとうございました。
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以前、腕時計のベルトのご依頼を何件かお受けしたことがありました。しかし、ミシンの押さえや極小のポンチ等の道具が無い事や、技術的に不安なこともありお断りしてきました。
今回、父から依頼があり、親族という事と、今後の勉強の意味も込めて作ってみました。 しかし、革選びからつまずきます。ブライドルレザーが良いかと思ったのですが、コゲ茶しか在庫を持っていません。他の革を探しても柔らかめな革しかありません。また、ミシンで縫うと押さえのアタリが着いてしまいそうです。手縫いで縫えば良いのですが、、、 色々と考えましたが、結局今回はおなじみ「アリゾナ」をミシン縫製でトライしてみました。 本来はベルトを取り外し、ベルトと時計を繋ぐシャフトの代わりに同じ径のポリ芯を通しておき、裁断、コバ磨き等を進め、最後にシャフトを通して時計本体に取り付ける工程が理想ですが今回はそれができません。困った事にシャフトが取れません。なのでベルトを時計に着けたままの縫製になります。 やはりアタリが気になりますが、まずはコレでがまんしてもらいましょう。 次回は手縫いで挑戦です。 |
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